LCB

巨大地震を想定した“LCB”

掛川市、袋井市の二つの既存の自治体病院を統合し、地域の医療を中核的に担う500床の病棟と32科の診療科目を有する病院として計画されました。
建設地は東海地震の想定震源域内にある為、先進のBCP対応病院として、建物そのものの耐久性・安全性はもちろん、ライフラインが復旧するまで、病院独自に水やエネルギーが供給できるシステムを提案し、世界初のLCB(Life Continuity Building)として設計するとともに、災害時の病院運営が円滑に進むよう配慮をしました。

LCB
様々な災害対策メニューにより災害時の医療を支援

本体からエネルギーセンターまでを包含する大規模な免震構造を採用し、地震時の建物の健全性を確保した上で、余震を含む揺れを極力抑えて、安心して医療活動が継続できるような配慮を行ないました。更に層間変位に追随し、ゆがみで破壊されないサッシの開発導入、破壊を極力抑える特殊な天井下地工法の開発導入、さらに天井に取り付けられた照明器具など全ての設備機器の落下防止対策などを行なっています。
災害時において、入院患者が平常時の2倍、外来患者が平常時の3倍になることを想定し、上水用受水槽は140t、雑用水用受水槽は350tを確保するとともに井戸を掘削し、災害時のトイレ洗浄などの雑用水として利用する計画としています。また下水インフラがダメージを受け、敷地害に排水できないことも想定して、700tの汚水貯留槽を確保しています。
オイルタンクは十分な容量を確保して非常用電源設備(2台)で発電し緊急時の医療に備えるとともに、各部門の利用エリアを段階的に絞るシステムを採用し、節電しながら供給期間を最大20日間延長する計画としました。

様々な災害対策メニュー
災害時に転用可能な平面計画

玄関前のピロティを雨に濡れないトリアージスペースとしつつ、自然採光、通風が可能なホスピタルモールと呼ばれる院内基幹動線を医療ガス、非常用電源を設置した緊急処置スペースとして利用可能とするとともに、近接する諸室を応援医師やスタッフの活動拠点と想定するなど、災害対応の病院としてフレキシブルに機能するよう、平常時から非常時への各部門の機能転換がスムーズに移行できる計画としています。
さらに職員用駐車場の災害時におけるヘリポートとしての利用、4床室にベッドを追加して6床とすることによる増床など、被災者の搬送や治療に万全の対応が可能な計画としています。

病棟基準階と1階の平面図