毎年恒例となっている深川第三中学校の職場体験プログラム。今年も3日間、5名の生徒の受け入れを行いました。指導員として入社1年目の社員が担当し、課題の設定から3日間のスケジュール検討、体験内容の準備を進めました。
今年の課題は、「潮見が元気になる建築」。本社がある江東区潮見のとある敷地について、「誰が何を必要としているのか」「周辺地域とどのようにつながるか」を考えながら、久米設計の一員となり、チームで建築のアイデアを検討してもらいました。
まずはレクリエーションとして、本社ビルの図面を見ながら社内見学を行い、久米設計がどんな会社なのかを紹介。会社や社員について知ってもらうことからスタートしました。
まちに出て検討する敷地・周辺地域を実際に歩き、リサーチするところから課題がはじまります。
近隣に住んでいる生徒がいて潮見のまちには親しみがある様子でしたが、指導員の説明やヒントを受けながら普段と違う視点でまちを観察してみると、新しい発見があったようです。何気なく通り過ぎていたところの奥には憩える公園があったり、そこに集まる人々の様子を観察することで今回の課題のテーマを見出していました。
リサーチして気付いたことをそれぞれ書き出し、同じ意見・エリアの場合はグループ分けをし、どんな建物が必要かをチームで話し合いました。
「潮見のまちにはどんな人がいるのか?」「その人たちにとってどんな建物があると良いか?」といった視点を大切にしながら、最終的に図書館・カフェ・スポーツ施設が融合した複合施設を提案することに決まりました。
テーマが決まりいよいよカタチにしていく作業です。
役割分担をしながら、模型や図面を作成していきました。しかし、アイデアをカタチにすることは簡単ではありません。「イメージがまとまらない」「どんな形にするのが良いのか悩む」といった場面もありました。そんな時は指導員のアドバイスで、建築雑誌やインターネットから参考となる事例を探し、再度検討を重ねました。
「自分はこうしたい」「複合施設だから、受付はこの配置にすると動線が良い」など、各自のこだわりもあり、成果品は1つにまとめるために意見がぶつかることもありました。このようにお互いの考えを出し合い尊重もしながら、チームで最適な案を模索していきました。
最終日には、社員の前でのプレゼン発表。
プレゼン原稿を考えたり、模型のスケールや素材にこだわったりと、細部まで意識して臨みました。本番では緊張しながらも、多くの社員の前で自分たちの考えをしっかり伝える姿が印象的でした。
発表を終えた生徒に感想を聞くと「意見が合わないこともあったけれど、みんなで相談しながら作るのが楽しかった」という声や「私は具体的な店名を挙げることしかできませんでしたが、他のメンバーは理由も考えた上で施設を提案していました。そんな風に考え発言できることが素晴らしい」と新たな視点に気づかせてもらえたようです。指導員が「組織設計事務所へ職場体験に来てくれたので、チームで協力し、1つのカタチを創る楽しさや難しさを感じてほしい」と考えていたことを、実際にこの3日間を通して学んでもらえたようです。
最後には先輩社員との質問タイムも設け、社会人として大切なこと、仕事のやりがいなどを積極的に質問しながら話を聞いていました。
数年後には将来を考える時期が訪れ、進むべき道に迷うこともあるかもしれません。そんなとき、この体験を思い出し、何かのヒントになれば嬉しく思います。