平面形は、事務室、講習室、試験室などの居室部分を集約したキューブを、円形のワンルーム型ロビーが囲むシンプルな構成である。「キューブ」は免許センターの機能が集約されたコアであると共に、構造的にも地震力を負担するコアとなっている。
ワンルーム型ロビーは来場者の動線スペースであると共に待合空間であり、従来の免許センターの建築プログラムでは手続き窓口毎に分断されていたロビーと廊下を統合したものである。認識しやすい動線と人溜りのロビー機能を両立させるため、ロビー全体をLSL合板と鋼板のワッフルスラブによる大屋根で覆い、水平力を「キューブ」へ伝達する構造とすることで、柱を軸力のみを負担する小経な鋼管とし、空間の開放性と自由度を高めた。
来場者の静と動の活動状態に合致する「キューブ」とロビーに明快に分かれた構成は、オペレーションプログラムの再構築により実現した。それは、従来手続き毎に分かれる事務室を統合したことであり、もうひとつはそれら受付けカウンターの統合である。受付カウンターはマルチカウンターと称し、季節毎にあるいは曜日毎に変動する更新や試験来場者の多寡にあわせ窓口数や種別を変更できるフレキシブルな構造とした。
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▷木製水平面材と鉄骨格子の複合架構