水運や街道の要衝として栄えた地域における、国及び県の出先機関と市庁舎を一体的に整備する奈良県初の施設である。公共施設の集約による市民サービスの向上とともに、災害時も機能し続ける拠点形成を目指している。コンパクトな正方形プランにより各機能を合理的に集約し、五條モールの北側を国・県エリア、南側を市エリアと明確に区分しながら会議室やロビーを共用することで、全体面積とコストの縮減を図っている。基礎免震構造の採用その他でBCPに対応するとともに、この地の気候風土を活かし、省エネルギーを可能とする環境配慮型庁舎を実現している。全体に掛けた大屋根により施設の一体感を水平庇と白壁の組合せや、茜色による縦ルーバー、各部サインの色彩等により地域の特性を表現している。金剛山の稜線を描く五條モールの天井、議場の壁・天井等に積極的に地場産木材を使用し、この地らしい暖かみのある施設を実現している。
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▷歴史を継承したデザイン庁舎