あらゆる災害を想定した災害に強いLCB(Life Continuity Building)庁舎としての性能と共に、八代城址という立地に着目し、その歴史的な文脈や景観に呼応した、「まちに映える庁舎」の実現が望まれた。庁舎は免震構造のうえ、更なる大地震時においても天井落下の危険性がない、床と天井が一体化したCLTパネルによる執務室の無天井化を実現した。八代市産材によるCLTパネルは、国内最大の3m×12mサイズを使用した床・天井一体型CLTトラスユニットとする事で、建て方の合理化と、単なる木質化に止まらない、床としての建材の可能性を追求したものである。燃え代設計と避難安全検証法により耐火と不燃性能を担保し、低騒音のOAフロアとの構成により執務環境の性能を確保すると共に、市産材による木の温もりを感じられる、八代市らしい木で造られた執務環境を実現した。また、八代城址の石垣の再利用や既存樹木の保存により土地の記憶を継承し、八代城跡との一帯的な景観を形成させると共に、新たな市民交流の場となり、憩いの場ともなる、開かれたまちの風景をつくり出す、まさに「まちに映える庁舎」をつくり出した。