嘉麻市はかつて炭鉱地域として栄えていたが、閉山後の人口減少と少子化により市内の児童・生徒数が大きく減少していた。このような背景の中で嘉麻市は、市内に3校同時で「施設一体型義務教育学校」を整備することにより、義務教育期間9年間を通じて子ども達の「学ぶ力」を育み、これを基に地域全体の「ひとづくり」を目指した。学校の中心に、教科と図書の繋がりと多様な学習を実現する「メディアコモンズ」を計画した。いつでも立ち寄れて、すぐに読書ができる図書への親和性を高めると共に、関連図書と特別教室の連携を図り教科への興味を高める、多様な学習環境を実現した。更に、メディアコモンズ内に学習空間を兼ねた階段を取り込むことで、全学年が毎日必ず利用する場として機能すると共に、吹き抜け空間を通して視線が交錯することで、異学年や教職員との自然な交流が育まれている。また、施工者と設計時より協働するデザインビルド方式を活かし、安全性・機能性・工期短縮等に配慮したLVL型枠工法を開発し、コンクリート造でありながら、柔らかな印象を持つ木の学習空間を実現している。