久米設計では、若い世代のキャリア形成を応援するとともに、建築の魅力に触れていただく機会づくりを継続して行っています。その取り組みの1つが、修学旅行の一環として行われる、大分県立別府鶴見丘高等学校の企業訪問研修です。本研修は、働くことの意義や、大学での学びがどのように将来につながっていくかについて考え、学ぶための場として、2018年から実施しています。2025年は、12名の生徒たちが来社し、設計者と対話する中で自身のキャリアについて考えました。
まずは久米設計の紹介からスタート。会社の基本的な情報はもちろん、大分県の設計事例を交えながら設計の仕事について理解を深めてもらいました。生徒たちが宿泊するホテルも久米設計が設計したと説明すると「えー!」と驚きの声があがりました。
続いて行ったオフィスツアーでは、実際の執務スペースや会議室、図書室を見て回りました。生徒たちはオフィス内のさまざまな空間を熱心に見学していました。初めてのオフィスに緊張していたように見受けられましたが、アトリウムに生えるベンジャミンや、階段の踊り場から見える汐見運河などの風景に触れるうちに、次第にリラックスした様子がうかがえました。
その後のディスカッションパートでは、生徒たちから様々な質問が挙がりました。
仕事をするうえで、一級建築士以外に取ったほうが良い資格はありますか?
一級建築士に加え、自分の担当分野の資格を取得するケースが多いです。
久米設計には、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士、技術士、
再開発プランナー、建築設備士、インテリアプランナーなどの資格保有者がいます。
木造の大型建築物はこれから増えていきますか?
国として木材利用を推進しており、
建築物における木材の利用は関心が高まっています。
木材利用を推進する目的は、ただ大量に使うだけではなく
「森林を維持して未来へつなぐ」ことの達成です。
このために設計だけではなく、産地・樹種・流通・加工など
サプライチェーン全般を意識した活用方法の工夫が必要だと考えています。
木造のメリットは何ですか?
環境面、コスト面などメリットは様々ですが、
個人的には、木の空間が与える安心感やぬくもりなどの
心理的な影響が最も身近に感じることのできるメリットだと思います。
設計者が実際に設計した木造建築の例を説明すると、生徒たちは真剣な表情で話を聞き、熱心にメモを取ってくれました。
終始リラックスした雰囲気で進み、時折笑顔も見られるなど、設計者と生徒のみなさんとの間で活発なやり取りが行われました。
実際の職場を見学し、設計者と対話することで働くことを身近に感じ、建築設計という仕事が環境・地域・社会の未来とつながっていることを感じていただけたのではないでしょうか。今回の訪問が、進路選択や将来のキャリアを考えるきっかけになれば嬉しく思います。
今後も久米設計では、地域や教育機関との連携を通じて若い世代の学びに関わり、設計という仕事の魅力を伝えるとともに、私たち自身も新たな視点や気づきを学びながら設計のあり方を見つめ直す活動を継続していきます。