北海道白老町では、アイヌ文化復興などのナショナルセンターとして、民族共生象徴空間の整備が進められてきた。その中心施設のひとつが、国立アイヌ民族博物館である。 設計にあたっては、景観と調和しながら、国立博物館としての品格をもち、自然とともに生活を営んできたアイヌの歴史、文化を尊重する建物とすることが求められた。 その実現のため、この地を取り巻く自然林の稜線と連続する建物形状によって、周辺の豊かな自然と調和させるとともに、展示室前には、ポロト(湖) に開くパノラミックロビーを設け、象徴空間全体が感じられる計画としている。また、2階に展示、収蔵空間をまとめ、高床の「倉(アイヌ語で『プ』)」となる構成とし、それを二重外郭構造で包むことで、寒冷地での博物館としての機能を強化している。
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▷特徴的な建物形状を活かした構造デザイン
▷周辺環境への調和と寒冷地の最大効率空調
▷展示施設に適した照明システム