キャンパスの老朽化や狭隘化に伴う再整備計画のひとつ。図書館機能を主軸とした「新たな学びの場」である。
建物全体を「本の森」と捉え、木陰のようなクワイエットルームや、光あふれる閲覧エリア、風の抜ける閲覧カウンターなどを各階に配置した。それらが一人ひとりの居場所をつくるとともに、立体的な空間のつながりを創出することで、本をはじめとした情報や人、モノと自然に出合える仕掛けだ。
また、学生との協働により育てた屋上庭園や、職人の手作業によって時間を掛け丁寧につくり上げたテラコッタルーバー、版築壁、土壁、また数種類の国産無垢材を使用した壁面など、さまざまなものづくりの手法を取り入れた。それらが建物の随所にちりばめられ、個々が教材となることで、主体的な学びの連続性が生まれる設計としている。