臨海部に生まれた小・中連携校である。校舎は共用の管理特別教室棟及びその両翼に配置された小学校棟と中学校棟の3棟で構成されており、２つの中庭を囲むように配置することで交流・連携を誘発、屋上の雑木林やビオトープ、菜園や、中庭から丘のよう登ってゆく緑など、まるで里山のような学習・生活環境の中で、子供たちが自ら楽しく学べる校舎を目指した。
小学校の中庭（２階）は緑が映える人工芝や、ザイルタワー遊具など、日常の遊びの中で自然な交流が始まり、安全に楽しくコミュニケーション能力や身体能力を向上できる「遊ぶ交流」の場としたのに対し、中学校の中庭は自らの成長を実感できるよう、小学校と雰囲気が変わる木製デッキ材の床仕上げとし、外の教室としての利用や、木陰のベンチで語り合うことができる「話す交流」の場とした。
また、「高さ」「長さ」「大きさ」「色」などの感覚がわかる表示や、太陽光パネル、雨水利用、緑化といった環境配慮装置などを、校舎建築そのものを利用して実物大、日常的に見せることで、子供たちが楽しく、直感的に学ぶ楽しさを知るきっかけづくりを行った。