私学の音楽大学として日本で最も歴史が古く、創立100周年を迎える東京音楽大学の本館建て替え計画。
学内の発生騒音を外部に漏れないようにするため、キャンパスをトップライト等で屋内化し、閑静な周辺住宅地との共存を図る、都会型インナーキャンパス。
公道で3分割された大学を、キャンパス広場として接続・一体化しつつ、大地がそのままスパイラルアップしたかのような空間構造により、1000人規模のマスアクティビティのスムーズな上下移動を可能にする、立体化したキャンパス。
キャンパスストリートとなる緩やかな階段坂は陽光で満たされたガレリア空間を旋回しつつ、北西側の外部階段から直線的に上昇するもう一つの階段坂と3階のブリッジで接続され、立体的なループを形成。
このループを中心に、800席のホールや2つのミニホール、食堂、大小スタジオ、教室、70室前後の練習室、事務スペース等を最適な位置に配置。
ブラックボックスとして堅く閉じてしまいがちな諸施設を、短冊状のPC板とスリット開口で構成し、建築全体に自然光と視界を取り入れ、解放感やリズム感を生み出している。