敷地は北大阪急行線延伸により新設される箕面船場阪大前駅前の箕面市船場地区にある。同地区は1970年に大阪市中央区から移転した繊維の街として栄えたが、近年繊維業者が減少した為、活気ある街の復活が望まれた。計画は新駅を契機とした周辺まちづくり事業の一環であり、大阪大学箕面キャンパスも同時期に移転開学された。大阪大学が図書館と生涯学習センターの運営を行い、大学の図書も所蔵する。公共図書館の国立大学運営は日本初となる。1階が駐輪場、2階が歩行者空間のペデストリアンデッキが接続する為 、主出入口は2階としている。施設配置は駅側を文化の顔としてホール、大学側を連携に配慮し図書館と生涯学習センターを計画した。ホールの外壁は箕面の由来となった竹細工の農具「箕」と繊維団地の繊維をイメージした、金属の織物のハコを配置した。建物全体は繊維をイメージした様々なハコが組み合わさった構成とし、ハコ上部への居場所の配置や、隙間からの光の取入れ、人の出入り、大きなハコのセットバック等、ボリュームを分節した上で変化に富んだ施設づくりを心掛けることで、施設規模に対し威圧感がなく軽快で愛着のもてる「街のような建築」とした。