【パラアスリート】悔しさからのめり込んだゴールボール

2022年6月1日久米設計に入社した川嶋悠太選手。
ゴールボール日本代表キャプテンとして活躍しています。
2021年に開催された東京パラリンピックに出場し、現在はパリパラリンピックの出場に向けて日々競技の練習に励んでいます。

■ゴールボールとは・・・

視覚障がいのある選手が男女別にプレーする対戦型チームスポーツ。

6人制バレーボールのコートと同じ18m×9mのコートを使用。試合時間は前後半12分の計24分。1チーム最大6名で構成され、コート上の選手は3人。障がいの程度によって競技力の差が出ないよう、選手はアイシェードを装着し同じ条件のもとで競技を行う。攻撃側は鈴の入ったボールを転がすように投げ、守備側は全身を使ってボールをセービングする。選手はボールから鳴る鈴の音や相手選手の足音、動く際に生じる床のわずかな振動を頼りに、攻撃と守備を入れ替えて得点を競う。

■川嶋選手がゴールボールを始めたきっかけを教えて下さい。

4歳~中学校3年生までは野球に取り組んでいましたが、小学校4年生で視覚障害者となり他に打ち込めるモノがないかと思っていました。その当時、学校の先生がゴールボールの監督をされていて、競技に誘ってもらった事がきっかけでした。最初は授業の一貫でゴールボールを体験し、ボールも固くて重い上に当たると痛いので苦手なスポーツでした。高校生になった頃に先生から誘われ大会に出場し、あと1勝で日本選手権といったところまで進んだのですが、残念ながら負けてしまい悔しさを経験しました。そこから次は勝ちたいという気持ちが強くなり、今まで以上にのめり込むようになりました。

写真提供:日本ゴールボール協会

■パラリンピックに出場が決まった時はどのような思いでしたか?

実は2020年の選考時には漏れてしまったのですが、パラリンピックが延期された事で改めて選考が行われ選出されました。選考から漏れてしまった時に、他のメンバーから支えてもらった事も多く、選考された際にはその時の恩をキャプテンとして責任を持って返していきたいといった気持ちが強かったです。

■実際にゴールボールを体験する事はできるのでしょうか?

体験会が開催される事もあるので、参加いただければ体験できます。2022年12月にも新宿区で実施予定があります。ゴールボールはアイシェードを付けて行うので、視界は真っ暗になり光も入らない状況となるので恐怖感もありますが、全員が同じ条件となるので、どなたでも体験できると思います。

写真提供:日本ゴールボール協会

■久米設計は様々な用途の設計に携わっており、視覚障害を持っている方が利用する際に気を付けて欲しい事など設計者にアドバイスをいただけますか?

視覚障害も人によって見え方が違うので難しいのですが、私の場合はコントラストがはっきりしている方がみえやすいです。最近はデザインがおしゃれになって、真っ白な壁やドアが増えているのですが、ぶつかってしまう事もあります。境がわかるような印をつけて欲しいといった気持ちはあります。

■まちを良くするためのアイデアや好きな場所はありますか?

最近まちを歩いていて恐い事は、車止めが多くて歩きづらいところが増えている事です。設置されているのに気が付かない事もあります。電気自動車なども増え、音が静かな事もあって気づくのが遅れる事もあります。私は信号も見えないので、流れをみて渡ったりしているので音声信号などがあるのも便利です。都会から少し離れると歩道が広く歩きやすいので、都会から少し離れた場所が過ごしやすいと感じます。

■世界でプレーしている川嶋選手のお気に入りのまちや施設はありますか?

スウェーデンが過ごしやすかったです。福祉も充実していて、まちの歩道も点字ブロックが設置されていてすごいと感じましたし、音声信号、スロープも多かったです。国全体が整備されている印象を持ちました。

■久米設計に入社して期待することはありますか?

社員のみなさんに競技を知ってもらいたいという気持ちがあります。私は出社機会が少なくなるので、繋がりを持っていく事を大切にしたいと考えています。今回のようなwebを活用しての対話も行っていきたいです。

■主な成績:日本財団パラスポーツサポートセンターHP引用

(最終更新日:2021年10月28日)

大会名 順位
2013年 ワールドユースチャンピオンシップス(アメリカ) 1位
2013年 アジアユースパラ競技大会(マレーシア) 3位
2013年 アジアパシフィック選手権大会(中国) 2位
2014年 仁川アジアパラ競技大会(韓国) 3
2016年 日本ゴールボール選手権大会 1(チーム附属A)
2017年 アジアパシフィック選手権大会(タイ) 3
2021年 パラリンピック 東京パラリンピック 5