DESIGN STORY

川口市立高等学校

生徒が輝く学校づくり

  • 魅力や居場所が
    散りばめられたキャンパス

    埼玉県川口市の市立高校(既存3校)を1校に再編・統合し、新たに「川口市立高等学校」として開校した学校です。設計を行う上で私たちが目指したのは、生徒の皆さんが毎日通いたくなる魅力や居場所が数多くあるキャンパスにすることでした。生徒が主役となる“生徒ファースト”な学校を実現すべく多くの議論を重ねて完成したこのキャンパスで、キラキラとした笑顔で毎日を過ごし、将来を見据える素敵なストーリーと出会うことができました。

  • キャンパスを使いこなす
    生徒たち

    完成後に学校を訪れると、生徒達の明るい声が響き渡り、すれ違うと元気な声で挨拶を交わすとても爽やかな日常を見ることができました。そして、生徒自らが工夫しながら建物を使いこなし、私たち設計者の想像を超える魅力的なキャンパスとなっていました。床のグラフィカルなパタンを使って部活動のウォーミングアップをしたり、設備のケーブルを敷設するラックに美術部の作品を掲示していたり、文化祭では段差をうまく利用してステージにしていたり、創意工夫を凝らしながら生活する素敵な風景を見ることができました。

  • 建物に興味を持ってくれた
    生徒

    開校してからもキャンパス内ではアリーナ棟の工事が進められていました。2020年、ある生徒に会って欲しいと市の担当者からお話を頂きました。完成した校舎棟で生活し、目の前でアリーナ棟工事の様子を見ていたその生徒(O君)が、このキャンパスについて設計者や施工者から直接話を聞きたいという依頼でした。後日、一緒に校舎棟を歩きながら設計の思いをお伝えしました。O君はこの校舎で生活したことがきっかけとなり建物に興味を持ち、大学は建築学科に進学したいということでした。数か月後、O君から手紙が届き、大学入試の論文でこのキャンパスについて記述し、希望の建築学科に合格したことを報告してくれました。毎日生活している生徒の皆さんに建物の魅力が伝わり、建築に関わる進路を選んで頂けたことは、とてもうれしい出来事でした。

  • 設計という仕事を目標に
    努力する卒業生

    2023年、本校を卒業した大学生(K君)から久米設計へ連絡が来ました。高校卒業後は建築学科へ進学し、大学の卒業研究・大学院の修士研究のテーマとして川口市立高等学校を扱いたいというメッセージでした。研究は、在校生の皆さんにアンケートをとりながら進めるというもので、建物について設計者の考えも聞きたいという依頼でした。その熱い気持ちに応えるため、K君とともにキャンパスを歩く機会を設けました。とても熱心に話を聞いてくださり、研究に対する本気度が伝わってきました。K君からは「校舎に対する理解度も深まり、意匠設計という仕事があこがれから目標に変わりました。」と力強いコメントを頂くことができました。

  • これからも数々の物語が
    生まれることを期待して

    生徒の皆さんが毎日通いたくなる魅力や居場所がたくさんあるキャンパスは、先生方の立場からすると心配な部分もあったかと思います。それでも、開校してから入学希望者は増加し、県内でも人気の学校になったということで、多くの方々に喜んで頂くことができました。そしてなにより、生徒の皆さんが笑顔で過ごし、将来の夢を見つけ、目標に向かって努力している姿を見ることができ、生徒が主役となる学校づくりをしてよかったと強く感じました。生徒が輝くこの学校で、これからも数々の素敵な物語が生まれることを楽しみにしています。

竣工年
2021年
所在地
埼玉県川口市
延床面積
31,358m²
階数
地上5階地下1階
構造
RC/S

川口市立高等学校

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