DESIGN STORY

新宿TOKYU MILANO再開発国家戦略特区開発

魅力ある都市の
未来像を描く

社会の先をにらむ
「強いデスティネーション」

新宿・歌舞伎町で、約60年間エンターテインメントをリードしてきた新宿TOKYU MILANOの跡地開発。これを受け継ぎ、エンターテインメントを軸に、どのような施設にするか企画段階から参画し、開発手法やコンセプトの策定においても、久米設計が重要な役割を果たしてきた。

歌舞伎町に点在する観光資源を活かしながら、場のポテンシャルを高め、歌舞伎町を世界中からのツーリストのデスティネーションエリアにする「都市観光拠点の創出」というシナリオを事業者とともにつくり上げ、「国家戦略特区プロジェクト」としての認定に寄与した。

オフィスや住宅のない大型開発

オフィスや住宅を軸としたこれまでに多い複合大型開発とは異なり、エンターテインメントやホテルを軸とした『デスティネーション型複合開発』は、これからの都市開発のあり方を問うあらたなチャレンジであり、「ナイトタイムエコノミー」や「エンターテインメントシティ」のさらなる発展に向けて、地元や行政など、まちに関わる様々なプレーヤーとともに検討を重ねた。

繁華街の中心にあり、四方を建物に囲われた稀有な都市空間である「シネシティ広場」。都市計画家・石川栄耀の「盛り場思想」が込められた、迷宮的魅力の大切な役割も担うこの広場と一体になる形で、本計画建物に屋外ステージや大型ビジョンを設け、「屋外劇場的都市空間」としての魅力を創出した。エンターテインメントの場として求心力を高めた「都市観光の新たな核」が、エリア全体に寄与する計画である。新しい「都市文化体験」を可能にするためのさまざまなスケールの空間を建物内外に実現させている。

観光立国に向け、グローバルツーリストに響く魅力づくり、観光インフラの整備が社会的に急務である中、文化発信力やナイトライフ対応の弱さ、人がとどまらないなどといった東京の課題に対して、「強いデスティネーション」の実現という形でアプローチしてきた。次代の観光資源創出に向け、ハードとソフトが連携した建築と都市づくりを進めた。

新しい「特区モデル」の
チャレンジ

これまで「都市再生特別地区(特区)」の手法を使って多くの大規模開発が東京都心で行われてきた。都市再生に対する貢献の度合いに応じた容積率等の緩和が認められる制度において、交通拠点との接続整備など都市基盤整備で貢献する「ハード整備」中心の運用がこれまでの特区モデルであった。

本プロジェクトでは「どうすれば都市を魅力的で強いものにできるか」「国際的な都市間競争を勝ち抜くためにどういった貢献ができるのか」という都市の大きな未来像を描き、それに向かって行政とともにチャレンジを続けた。歌舞伎町の観光資源を活かし街の魅力を高めるための核となる建物の在り方を考え、コンテンツを模索した。その結果、設置される用途やコンテンツ自体の貢献度が高く評価され、ハード整備に比重を置かない新しい特区評価を達成することができた。

都市と建築と人を
ボーダレスにデザインする

魅力ある都市を実現するために、様々なことを重層的につなげながらプロジェクトを進めてきている。都市、建築、人について。その都市がこれまで育んできたものは何か、訪れる人が期待することは何か、描かれる未来を実現する場はどうあるべきか、人々を輝かせるコンテンツは何かなど、すべてを同時に考えながら全体を高めていく。事業者のパートナーとして事業企画をサポートし、都市計画と建築設計の一体的な役割を担いながらプロジェクトを昇華させてきた。2022年に新しい未来が実現する。

竣工年
2022年(予定)
所在地
東京都新宿区
延床面積
89,600m²
階数
地上48階地下5階
構造
S

新宿TOKYU MILANO再開発

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