老巧化した区役所の建替えを機に、PFI事業により図書館や交流施設、カフェなどとの合築により新たな地域交流拠点を創出する計画である。敷地は「大宮」の由来でもある氷川神社の参道に接することから、建物内外においてその豊かな緑を享受できる環境を活かしながら、複合施設による利便性や機能連携の相乗効果を誘発させることを意図した。建物は正方形のシンプルなボリュームにより合理性を追求し、中央部の構造フレームに地震力を負担させることでフレキシブルな空間を実現している。この構造フレームを中心としてスパイラルアップする3つの吹抜空間を介して各施設に適度な空間的繋がりを持たせることで、市民の活動が波及し、影響し合う空間づくりを行った。また、外観は製糸業で栄えた土地の記憶を表現する絹糸のようなスクリーンで覆うことで、街に対して優しい表情と風格を与えるとともに自然採光と通風及び視線の調整機能をもたせている。
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▷快適性を備えたBCP庁舎