新しい街並みが形成される東京湾臨海部において急増する児童・生徒を見据えて計画された義務教育校である。かつて都内最大の貯木場をもつ地域であることから、地場産業である木材を活かしたシンボル性の高い木の学校をつくることが求められた。 耐火建築物としての性能が求められる校舎はRC造を含む木造耐火建築として計画し、子供たちが生活の大半を過ごす場である普通教室や、移動・交流の場を中心に木造・木質化を行うことで、木のぬくもりを活かした学び舎づくりをおこなった。校舎を児童・生徒の交流軸として、耐火集成材の柱が連続する「木の回廊」で結び、カラマツの下見板張りで覆われた吹抜け階段の壁面にさまざまな学びを誘発する言葉や記号などを焼き付けた「ことばの壁」を設けることで、児童・生徒及び教師などとの偶発的な交流と、自ら学びに興味をもつアクティブラーニングを誘発する環境づくりを目指した。