かつての城下町や商店街の活気が失われていた大手前地区に、文化施設を中心として地区全体の整備を行い、賑わいを取り戻すことで市内回遊動線を有効化し、まち全体の活性化を図るプロジェクトである。中核施設となるさいき城山桜ホールは、周辺の古い町並みや寺社と調和する分節した勾配屋根を採用し、商店街であった通りには賑わいが表出するように、調理実習室やスタジオなどをガラス張りにし配置した。内部には明るく居心地の良い市民の居場所を確保し、文化活動が見えるつくりとすることで、賑わいを作ると共に更なる文化活動を誘発し活性化することを意図した。大ホールは幕形式、シューボックス形式、側面開閉型平土間形式に可変し、様々な利用形態を提供することで利用率の最大化を図った。街区形状の変更に加え、情報発信施設や2つの広場、バスターミナルを含む道路の舗装も総合的に計画し、大手前地区全体の活気と賑わいを創出することを目指した。