印刷機を生産する企業の新しい研究開発の拠点、将来の発展を考え取得した広い土地につくる最初の研究所として、計画するにあたり具体的にイメージできる構成が必要と考えた。機能として、大型機器の開発にフレキシブルに対応した実験室と研究成果のデモンストレーションが行える展示空間が求められたことから、4つの実験ボックスをつなぐ田の字形の平面を提案した。風車のようにずらした十字部分に「出入口」・「会議」・「執務」・「コミュニケーション」の場をつくることで研究者が集い、イノベーションが生まれる議論の場となる構成をイメージし、この十字部分を手掛かりに建築が拡張していくことを目指した。デザインは、「高度な印刷技術」を企業のアイデンティティとして建築で表現し、意匠・構造・設備は繰り返し行われる印刷機のストライプ工程をモチーフに洗練するよう、工夫を凝らした。