本計画は中山道の宿場町として発展した中津川市の中心市街地において、学び・市民交流・観光・子育てという4つの地域課題に答える複合型の図書館として計画された。旧中山道に面して格子窓と低層の屋根形状を特徴とし、毎月行われる六斎市では縁側テラスと全面掃き出し窓により、まちに開いた利用ができる設えである。市民交流は新たな活動や交流を誘うガラス張りの空間で行われ、可変性が高く、自由に利用できるオープンスペースも特色とする。学び空間は一般書/児童書フロアに分けることで音環境に配慮しながら、明るさを感じさせる大屋根に包まれ、一体感を感じることができる。建物荷重を平均化するRC造の下部架構と徹底して軽量化したS造の大屋根架構の混構造を採用することで敷地に残った既存杭を再利用している。また床吹出空調により居住性を高め、高窓の自然光や行灯を思わせる照明により、寒冷な冬季にも快適に過ごせる光・熱環境を整えている。