DESIGN STORY

霞が関コモンゲート中央合同庁舎第7号館

保存再生と景観連携
によるまちづくり

日本初の超高層ビルとの
景観連携

1968年に日本初の超高層ビルとして建設された霞が関ビル。その敷地に隣接し一体的な街区を形成していた「旧文部科学省庁舎」、「旧会計検査院庁舎」そして「旧霞山会館」の敷地に建設されたのが、我が国初の大規模官民協働の再開発プロジェクトである「霞が関コモンゲート・中央合同庁舎第7号館」だ。新たにつくられた2つの超高層ビルは、霞が関ビルと一体となったスカイラインを形成し、霞が関の官庁街と新橋~虎ノ門の民間ビル街とをつなぐ「ゲート」として計画。また、そのファサードは、周囲の官庁施設群の都市軸や景観、色調に配慮し、単体建物としてだけでなく、一体のまちづくりを意識した細やかなデザインがなされている。

歴史ある建物を
保存再生する

計画地には歴史ある建物が存在しており、新しい建物を建てるためにはこれらを解体する必要があるものの、その歴史性をどう継承するかが課題であった。今回の計画では3つの異なるアプローチにより、歴史継承を行っている。1つは建物を保存・継承した「旧文部省庁舎」。桜田通り、三年坂に面する部分を残し内部改修することで、歴史あるランドマークをそのまま次世代へ継承している。2つ目は部分的な再利用を図った「旧会計検査院庁舎」。扉や照明等を古い建物から生かし取りし、新しい建物へ再利用しアイデンティティの継承を図った。3つ目は意匠を再現した「旧霞山会館」。新しい超高層ビルの37階に移転する霞山会館のロビーは、旧建物の外観を踏襲した内装計画で、その歴史や空気感を再現した空間となっている。

江戸~現代をつなぐみち

計画地にひっそりと眠っていた江戸城外堀の石垣遺構も、今回の計画で修復し公共のプロムナードの一部として公開されている。このプロムナードは霞が関ビル建設当初から保存された欅並木や、今回整備された緑化空間と一体となり、江戸時代から現代までが一体となった広場空間を形成している。広場にはこのエリアの歴史を一段一段に示した年表階段をデザインし、その重層的な歴史を刻み込んでいる。

市民に開放された都市広場

街区中央に設けられた広場は歴史的に重層された都市構造を読み解き、霞が関ビル地区と一体的にデザインされ
「霞テラス」と名付けられている。水景施設、アート、ベンチが並び、オープンカフェの賑わいが溢れる憩いの空間となっており、
定期的なイベントも開催されている。
官庁街とオフィス街とつなぐゲートスポットにできたこの広場は、
様々な歴史をもつ現代都市東京における新たな都市広場像を示している。

竣工年
2008年
所在地
東京都千代田区
延床面積
253,493m²
階数
地上38階地下3階
構造
S/SRC/CFT/RC

霞が関コモンゲート中央合同庁舎第7号館

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