

学び合いの核となる交流の場として図書を中心とした「小牧山ステップ」を提案しました。3階建ての校舎の3層吹抜でどの教室からもつながる空間構成とし、階によって様々な角度を持たせて子どもたちの動きや視線が多角的に生まれ、つながり合いが広がっていくような空間を目指しました。
市として学校図書を様々な教科授業で活用しており、設計時の既存校舎の現場調査では休み時間の図書館で本の貸出しにおいて100人以上の行列ができるほど、子どもたちと図書の関係が近いことが分かりました。そのコンテクストを読み解き、それぞれが学び合うことやつながり合うことの交流ソースとして積極的に図書を活用しようと考えました。また交流をできるだけ自然に促すように閉ざされた図書室ではなく、オープンな形の図書室でさらに校舎の日常の移動の中で立ち寄れるように学校の中心に図書空間を配置しました。
本を読む空間としての光や空調の環境、一番重要な子どもたちの安全性、またその反面に活動の視認性などさまざまな課題がみえてきました。
光環境については、吹抜最頂部のハイサイドライトの形状や手摺を使った光の拡散に対してのシミュレーションを行い検証しました。手摺の素材は、その光の拡散と同時に子どもたちの安全性、活動の見え方をいくつものサンプルとモックアップを作成し、市の教育委員会や先生方と一緒に材料を選定していきました。
設計中には子どもたちへワークショップを行い、世界や日本の図書館を参考にしながら、どんな図書室にしたいかなどたくさんの意見を集め、計画に取入れていきました。


中心性のある小牧山ステップの賑わいを外へも出していきたい思いから、小牧山ステップに隣接する外部はステップ状のテラスを計画し、吹抜にはネットを張った遊具や、ビオトープや菜園を隣接した観察テラスを提案しました。小牧山ステップが内部だけでなく外部でも十分に活用し、子どもたちの賑わいがまちへあふれ出すような空間づくりを目指しました。また体育館前では、地域行事のできる広場を計画し、既存校舎の記念碑や景石、桜並木を継承した空間を創り出し、地域とシームレスにつながるよう目指しました。学校としてセキュリティとの兼ね合いを踏まえながら、地域へ賑わいと交流のある学校風景が垣間見えています。


「学び合い、つながり合い」の考えを実現するために、その”仕方”や”使い方”は建築でどうできるかいつも考えていました。市の教育委員会や校長先生筆頭に先生方と設計から工事までの5年間、熱い思いをくみ取り計画を進めていきました。市の小牧山のように小牧南小学校の小牧山ステップを中心に子どもたちと先生、地域の人たちの様々なつながり合いが生まれることを願っています。